フランスに住むには?その②就労ビザの取得まで ~前編~

私は今、フランスに「就労ビザ」で滞在しています。

このビザは、取得するのが なかなか大変…

今回は私がこのビザを取得するまでの流れと、手続きの方法を説明していきたいと思います。これは一例ですので、職種や勤務先によってビザ取得までの流れや細かな部分は変わってくると思います。

就労ビザとは?

以前の記事にも書きましたが、

このビザは、フランスの企業に採用されたためフランスに3カ月以上滞在する場合、もしくは、本国の企業からフランスの企業へ出向として赴任するためフランスに3カ月以上滞在する場合の就労者に適応されるビザです。

ビザ期限 初年度1年、更新可能。2年目から4年に一度の更新らしいですが、ケースバイケースみたいです。

このビザがあれば フランス人と同じように働き、同じように収入を得ることが出来ます。

ステップ①就労先を探す

まずは フランスの企業に採用されること!

実際に在日フランス大使館に行って ビザの申請手続きをするのは最終ステップになります。

採用までの流れは 人それぞれですが、大抵は 以前に就労ビザ以外のビザで働いていた職場に もう一度働きたいとお願いするパターンです。雇う側も その日本人がどれくらいの仕事スキルがあるか、フランス語能力、人となりが分かってますからね。私もこのパターンでした。ただ、私の場合ワーキングホリデーで働いていた頃のフランス語能力は 今一つだったので、「フランス語が出来るようになったら、雇っても良いよ」と言われました。それから約1年 必死で勉強してフランス語の検定を受験、合格結果を持って再度 職場へ アタックしました。(フランス語は 今も まだまだ頑張らないといけないレベルですが…)

多分、フランス語もそうですが、そこまでしても 本当にフランスで働きたいのか、私の覚悟を試した部分もあったんじゃないかとも思います。

もちろん 「フランス語もペラペラ、仕事もバリバリ出来る!」って方は この限りではありません。

ですが、雇用側は外国人を簡単には雇いません。

なぜか?

単刀直入に言うと、「面倒くさい&お金がかかる」からです。失業率が深刻なフランスでは、出来るだけフランス人を雇って欲しいのです。当たり前ですよね。なので、外国人を雇う場合、「なぜ その人でないといけないのか?」(フランス人じゃ駄目なの?)、証拠を示す 文書を作成しなければなりませんし、移民局(OFII)というところに、税金を納めなければなりません。採用された人が受け取る給料の金額によって、雇用側が支払う税金金額が決まり、大体210€~300€を移民局に支払わなければなりません。しかも もし勤務先が雇ってくれる意志を示してくれても、まずは「求人をフランス人に向けて掲載して、半年しても 良い人材が見つからなかった」という ポーズをとらないと、労働局は許可を下ろさず、外国人へ雇用の機会は回ってきません。

ですので、採用されるのは大変ですし、とても ありがたいことなのです。私も ブランジェとしては まだまだ未熟者なので、雇って貰えて本当に感謝感謝です。

ステップ②労働許可を申請する

これも 正直かなり面倒くさかった(笑)

まず フランスで 雇用主が管轄となる労働局に労働許可の申請を行います。

フランスでの手続き、実際にこれを行うのは、勤務先の顧問弁護士の方です。この方が、なぜ外国人を雇うのか?とかを証明する文書を作成してくれるのです。

雇われる側がすることは、この弁護士(もしくは雇用先)と連絡を取り合い、手続きに必要な書類を集め、弁護士に送ることです。

人により多少異なりますが、私が揃えた書類を以下にまとめます。

  • パスポートコピー
  • 顔写真
  • 履歴書(CV) 仏語 、自分で作る
  • 履歴書に対応する全ての卒業証明(高校から)
  • 履歴書に対応する全ての勤務先の在籍証明(過去全ての勤務先)
  • 戸籍謄本(※アポスティーユつき)
  • 資格証明書(私はフランス語検定と衛生管理責任者の証書をつけました、職種に関係のないものは必要ないです)

以上です。

人によっては、給与明細だったり、源泉徴収票(年間の給与証明)が必要だったりするようです。

これだけの書類を全部集めるのも面倒ですが、まだこれで終わりません。

これに「法廷翻訳」をつけなければなりません。法廷翻訳とは 正式な翻訳で、在日フランス大使館の指定した翻訳事務所(大使館のHPに一覧が掲載されています。)へ依頼して、書類を翻訳して貰います。翻訳にかかる費用は自己負担です。大体一件の翻訳につき3000~5000円くらいです。

戸籍謄本にはさらに「アポスティーユ」というものをつけます。アポスティーユとは官公署、自治体等が発行する公文書に対する外務省の証明のことです。「この公文書は正式なものです」と外務省が証明をするというもの。公共団体の文書だから絶対でしょ?と思いますが、海外に出す場合は求められることが多いです。手続きは 外務省HPを参考にして下さい。

外務省での窓口手続きと郵送、どちらも可能です。(窓口の方が受け取りまでが早いです)

これで やっと必要書類をフランスに送れます。

人それぞれですが、私は郵送ではなくて、これを全てPDFにしてメールにて弁護士に送りました。

そして これらの書類を受けて弁護士が労働局に申請をし、あとは許可が降りるのをひたすら待ちます。申請してから許可が降りるまでの期間は最長で2ヶ月となってますが、フランスのバカンス期間とかによっては長くなる可能性もあります。

その後、労働局の承認が移民局に通達され、移民局から就労者が居住する地域の領事部に労働許可書あるいは雇用契約書が電子情報で送付されるとビザ申請の受付が可能となります。

就労者には雇用主から労働局の承認が通達されます。その通達を受けた後、就労者はビザ申請の手続きが可能となります。

ちなみに 労働許可は申請をしても全ての人に許可が降りるものではありません。審査を通った人のみです。

なので、これは本当に「運」です(笑)

聞くところによると、職種にも左右されるそうで、人手不足の職種とかは通りやすいみたいです。(飲食はフランスでも人手不足、どこの国も同じですね)

無事に労働許可が降りると、次は最終ステップの「ビザ申請手続き」です。

結構長く書きましたので、今回はこの辺で。次回記事で フランス大使館でのビザ申請手続きについて紹介します。

最後に参考までに フランスでの労働許可申請について知りたい方はこちらから。(フランス語)

https://www.service-public.fr/particuliers/vosdroits/N107

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投稿者: 青空

パリ在住。 パン職人が本業だが、マルチ・ポテンシャライトとして 現在 奔走中。 2015年に初のフランス1人旅をしてフランスの魅力に取りつかれ、2016年ワーキングホリデービザにて1年滞在。帰国後 再渡仏の為に奮闘、2018年10月に念願の労働ビザを取得しました。