【フランス語で読書】読書感想文 2023 ~ 読書は日々の積み重ね!今年は こんな本 読みました🎶~

なんだか 2023年は

おととしよりも 去年よりも さらに早く

急流の ごとく時が流れ、

気が付けば あっという間に もう年末😨

色々と 大変なこともあったけれど、

喉元過ぎれば 「愛すべき思い出」です(笑)

さて、

普段から 趣味&勉強を兼ねてしている

フランス語での読書ですが、

今年も 課題図書?を すべて読み終えたので、

年末の締めくくりに レッツ・レビュー🎶

今回 読んだ本たちは、

以前 お送りしました、5区の古書店で購入したものです😊

パリ5区のミステリー&SF古書店 Librairie l’Amour du noirに潜入捜査してきた…!

今年も 素敵な本に出会えました。。😌

日本に お住いの方向けに、

今回も 日本で購入できる書籍にはリンクを貼らせていただいております(^^)

それでは いってみよう!

もくじ

  1. La maison du juge 著者 Georges Simenon
  2. De la terre à la lune 著者 Jules Verne
  3. Le Secret des Andrônes 著者 Pierre Magnan

La maison du juge

著者 Georges Simenon

まず 最初にご紹介するのは、

ベルギー生まれの小説家・推理作家、Georges Simenon の一冊!

Georges Simenon は フランス語で作品を書いているので、

フランスでも超有名な作家。

本作品にも 登場する Maigret 警視 (そう、あのコナンの 目暮警部の元ネタ!)は、

大抵のフランス人が知っているであろう、有名なキャラクターです(^^)

もちろん Maigret 警視の活躍は小説の中だけにとどまらず、

映画化やドラマ化した作品は、

言わずもがな たくさんあります✨

そんな 彼が捜査する本作の舞台は、

ロワール地方の海沿いのコミューン Vendée (ちょうど ナントの下くらい)。

左遷先で 退屈していたメグレ警視に、

知り合いだった税関係官夫婦から ある日突然の連絡が。

それは

「隣の元裁判官の家に死体が転がっている」というもの…!

そして 満潮の日の夜、

死体を海に捨てに行こうとしていた 元裁判官にメグレ警視が直撃。。

彼から聞いた言葉は…

「彼(死体)とは面識がない、気づいたら 私の家で死んでいた」

という、なんとも ぶっ飛んだ序章から始まるストーリーです😶

物語のペースは比較的淡々と真面目?に進んでいく感じで、

ところどころで ちょっぴりポンコツ?な部下や、おどろおどろしている税関夫人、その他の登場人物が

良い感じにアクセントを与えてくれます。

書かれた時代背景ならではの、

電話交換手との やりとり や 電報なども

今の時代では新鮮で面白いです。

会話が比較的多く、語彙も優しいため(本屋の店主がオススメしてくれた通り!)、

初心者でもフランス語的には読みやすいと思います😊

ただストーリー的には、

「寒い冬の閉塞的な村社会」(実際に調べてみると のんびりとしていて素敵な田舎なのですが笑)や、

「登場人物たちの鬱々とした過去や現在」が描かれている部分(特に後半)が多いので、

私には ちょっと合わなかったかな。。

環境の設定や犯人の動機とかが 結構 突飛というか(推理小説って 往々にして そういうものなのだけど)、中途半端に共感しづらく、

少なくとも私には しっくりこなかったです。

しかしながら、

後半 1/4 を占める取り調べのシーンは読みごたえ抜群だったので、

フランス語の推理小説 入門には オススメです🕵️‍♂️

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フランス語版(ペーパー)

De la terre à la lune

著者 Jules Verne

続いて ご紹介するのは、フランスの小説家で

「SFの父」とも呼ばれる

ジュール・ベルヌのSF小説。

ジュール・ベルヌは、小説 十五少年漂流記

「人間が想像できることは、人間が必ず実現できる」

という名言でも有名ですよね(^^)

本作「地球から月へ」は、

Autour de la lune 「月世界へ行く」と合わせた

月世界旅行 という 2部作の長編小説となっております。

時代は 南北戦争後のアメリカ。

(アメリカを舞台に選んだことに 意外性)

アメリカの大砲やミサイルの技術は素晴らしく、

そんな大砲を愛する砲兵や技術者たちが集い、

「大砲クラブ」という集団を結成します。

クラブは 戦時中、あらゆる戦場で成果を上げ、意気揚々と戦いを繰り返していたのですが…

終戦を迎え、存在意義を急に失ってしまうことに。

(物は何であれ、夢中になっている物を急に奪われると

人は きっとこうなるのでしょうね…)

そんな最中、

完全に萎れかけて自暴自棄になっているメンバーの元に

クラブのトップから あるプロジェクトの提案が。

それは…

大砲の技術を使って、砲弾(ロケット)を月に打ち上げるという

なんとも壮大な計画なのでした🌖😶

 

物語は、ロケット製造の計画、資金調達、製造、打ち上げまでを

ドキュメンタリータッチで描いていて、

最初の部分は 戦争や武器の話で

個人的には読むモチベが上がらなかったのですが(笑)、

そこを越えて ロケットの製造計画まで進んでいくと

案外読みやすくて 最後までコンスタントに読むことが出来ました✌

宇宙科学の分野なので、

天文学、物理学、化学などの知識や理論も 文中では解説がなされ、

その度に遠い昔の記憶(笑)を思い出したり、

気になって調べたりしながら物語を読みました。

(「自転と公転の同期」とか すっかり忘れているし、

望遠鏡の造りには大きく分けて2種類の方式があるなんて

今言われてもピンと来ないですよね?😂)

あまり知らない分野を、

さらにフランス語で説明されるので

なかなか頭が混乱しましたが、

普段は使わないけれど、

一般教養として知っていて損はないフランス語の語彙を学べたのは

なかなか有意義でした😊

これは 読む人の興味や好奇心の度合いによって 好みが分かれるかな?

現代の科学技術から見たら

「んな訳あるかい!」と思うところもありますが、

そこは ご愛嬌で(^^)

物語自体は 昔の作品ということもあり、

文章表現は やや硬いですが、

良くも悪くも単純な時系列で物語が進んで行くのと、

ちょうど良いタイミングでクセ強め(笑)な 登場人物が続々と登場するので、

そこは読んでいて心地が良かったです。

読み始めた最初は、

「大砲 大好きなんて、物騒な奴らだなぁ…」と思っていたのですが、

読み進めるにつれて、

「登場人物それぞれ、なんだかんだ人間味があるじゃない」と

思えるようになりました😂

特に マストンが 良い味出している、

作中での名バイプレーヤーでした👏

また、物語のラストの切り方が上手い!

これは 続編が気になる書き方だわ。

語彙も 専門用語以外は そんなに難しくないので、

普通の現代小説とは ちょっと違った分野に挑戦したい方は ぜひ!

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Le Secret des Andrônes

著者 Pierre Magnan

そして最後のトリを飾るのは、

フランスの小説家 Pierre Magnan のミステリー!

Pierre Magnan は、過去に様々な小説の賞を受賞した経歴のある人物で、

原作は 1982年にテレビ映画、

2012年にテレビドラマ化されたのだとか。

(↑めっちゃ見たい!)

舞台は 南仏、Alpes-de-Haute-Provence 県にある街 Sisteron

この街は「プロヴァンスの門」という別名を持ち、

ジュラ紀石灰岩からなるボーム岩が印象的な、山間の街です。

Andrônes とは オート プロヴァンス地域で よく見られる、

両側を家で覆われた屋根のある階段状の通りのことを指します。

病気療養中で回復期の警視 Laviolette が、

滞在先の Sisteron で 演劇イベントを鑑賞する最中、

とある事件に遭遇するところから物語が始まります。

亡くなった女性は、Jeanne という、

街でも有名な車椅子の美人女性 Rogeraine Gobert の姪で、

彼女の身の回りの世話をしていたそうで…

それから 次から次へと 立て続けに亡くなる、

Rogeraine の介護役の女性たち。

Laviolette が捜査を続けていくと、

そこには 第二次世界大戦まで遡る、

壮絶な因縁の物語が広がっていました😶

誰もが 口を閉ざす Rogeraine の過去とは?

登場人物たちは 何を知っていて、何を隠している?

勿忘草の絵が添えられた名刺にある、

Gilberte Valaury とは一体 何者なのか…!?

物語は

①Laviolette が捜査をして推理するターン、

②Rogeraine が メインで、

彼女を取り巻く他の登場人物との やり取りや、

彼女の過去の回想や考えを巡らせるターン、

③Rogeraineを取り巻く他の登場人物たちが

最後の方まで分からない「秘密」をほのめかし 、様々な会話をするターン、

④殺人が犯人によって実行されるターン

などと、

非常にバランスよく、読者を飽きさせないリズムで書かれており、

時折、美しい オート プロヴァンスの自然描写や、

季節の移ろいの繊細な描写を挟み込んでいるのが、

ちょうど良い「息継ぎ」になって良かったです(^^)

とにかく各ターンでの描写が非常に的確?でリアリティがあり、

会話のやりとりは 心理戦を見ているようで

とても面白いですし、

逆に犯行シーンは 程良い?感じの凄惨さと、

映画のようなハラハラ感を味わえます。

物語の鍵を握る過去や秘密を うまく匂わせ、

曖昧さを残す感じが、

読者の興味を駆り立て、

上手いこと最後まで飽きさせない造りになっています。

非常に じらし上手(笑)

あまりネタバレさせたくないので、

ここで たくさんは述べたくないのですが、

中盤あたりで Rogeraine の過去が開示され、

そこから 徐々に伏線が回収され始めると、

ラストまで加速度的に面白くなります!

最後の1/4、特に最後の60ページぐらいは

展開が目まぐるしくて、先をどんどん知りたい状態に😶

そして

壮大な運命のストーリーが最後まで続くと思ったのですが…

最後は あっさりと裏切られました(笑)

事件そのものの真相は

Laviolette と読者が期待するよりも淡泊?で、

Laviolette は 犯人に、

読者は 作者に まんまと騙された顛末となりました😅

で、結論からすると 事件解決は 「たまたま」だったってのが面白い。

でも、それを 見事引き寄せたのだから、

これも Laviolette の実力?のうちなのかも?!

そしてラストの描写に🥹

さすが 古書店の店主が太鼓判を押しただけある。

今年イチ面白い本でした🎶😊

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本との出会いも「一期一会」。

今年も 読書を通して 様々なインスピレーションを得ることができ、

かつ とても良い頭の体操になりました😁

聞くところによると、

30代から脳の老化は加速するらしいのですが、

それを 遅らせるには

「読書」をするのが一番効果的なのだとか。

(特に「紙」の書籍)

その他 脳内の思考は 言語を介して行われるため、

それを鍛える為にも非常に大事とか etc…

ま、とにかく 読書好きからしたら

めちゃめちゃ低コストで簡単な娯楽だし、

メリットばかりなので、

苦手な方も 来年は ぜひチャレンジして

新しい世界の扉を開けて下さい🎶


本年も 当ブログを お読みいただき、

本当に ありがとうございました😊😊😊

どうか すこやかな年末を✨👋

◎ちなみに去年は…📚↓↓

続?秋の読書感想文 in フランス 。【読書って楽しい!おすすめのフランス語小説3つ】
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投稿者: 青空

パリ在住。 パン職人が本業だが、マルチ・ポテンシャライトとして 現在 奔走中。 2015年に初のフランス1人旅をしてフランスの魅力に取りつかれ、2016年ワーキングホリデービザにて1年滞在。帰国後 再渡仏の為に奮闘、2018年10月に念願の労働ビザを取得しました。