【フランス語で読書】読書感想文 2024 ~ 娯楽&フランス語の勉強!今年も面白い本を色々読みました📚~

毎度毎度のことですが、

2024年も 一瞬?で時間が過ぎ去り、

職場では 12月に入るか入らないかの時点で

「もう 良い お年をだよ~」と

同僚と顔を見合わせて驚愕しておりました😮

仕事は ルーティーンなので、

時間の法則的?に かなり高速だったのですが、

それ以外は 新しいことを始めたり、

学ぶことも多かったので、

今年一年は 結構充実した

濃い時間が過ごせた気がします😊

さて、

近年 年末の恒例記事?となっている

フランス語での読書感想文ですが、

【フランス語で読書】読書感想文 2023 ~ 読書は日々の積み重ね!今年は こんな本 読みました🎶~

今年も 色々と面白い本を読んだので、

超独断と偏見のレビュー(笑)、

やっていきますよ~🎶

日本に お住まいの方向けに、

今回は フランス語 Audible版のみですが、

購入できる書籍には

Amazon のリンクを貼らせていただいております😉

では いってみよう!

もくじ

  1. Un avion sans elle  著者 Michel Bussi
  2. Le Syndrome du spaghetti 著者 Marie Vareille
  3. Laissez pousser les asperges 著者 San-Antonio(Frédéric Dard)
  4. GPS 著者 Lucie Rico

Un avion sans elle 

著者 Michel Bussi

まず トップバッターは、

もはや 私の読書感想文では「常連」笑の、

Michel Bussi のミステリー🎶

著者の Michel Bussi は ルーアン大学の教授で、

本作は Prix Maison de la Presse

Prix du Meilleur Polar francophone を受賞したベストセラー✨

2012年出版、

本のタイトルは Charlélie Couture の

Comme un avion sans aile から拝借したそうです。


物語の はじまりは、1980年、12月23日。

エアバス5403便 イスタンブール-パリ便が

悪天候によりジュラ山脈に衝突するまでの機内の様子を

克明に描くところから始まります。

凄惨な事故の中、

奇跡的にも たった一人の生還者が 。

それは 生後 3ヶ月の女の子。

そして 事故当日、

エアバス 5403 便には 誕生日が数日違いの

生後 3ヶ月の女児が2名搭乗していて…

生存者 Émilie を巡り、

始まった 2つの家族の争い。

(DNA鑑定に関しては 読み進めて理解して下さい)

大富豪の家族側に雇われた探偵 Crédule Grand-duc は、

長年の捜査にもかかわらず、

Émilie が成人を迎える誕生日当日、

「捜査記録」だけを残し、

自ら命を絶ってしまう。

そして残された Émilie の兄 Marc は、

その「捜査記録」を頼りに、

徐々に真相へと迫っていく…

という物語です🧐

Michel Bussi の作品の特長として、

場面が頻繁に切り替わり、メリハリがあるので、

全編 約560ページと なかなかのボリュームではありますが、

非常に読みやすい😊

過去(捜査記録)と現在の行き来、

ほぼ同時刻に、別の場所で、

登場人物それぞれによって繰り広げられる話は、

どのような結末へと向かうのか…

読んでいて飽きません🙂

さらに前半は 舞台がパリ中心で、

場所の描写が細かく、

馴染みのある場所が多く登場したので、

臨場感があって とても面白かった!

(メトロや駅、

私が過去に行った旅行先なども出てきて、

なんだか親近感が湧きました笑)

物語 中盤を越えても、

まだ どういう結末になるのか

想像がつかず…

終盤戦に 差し掛かったところで、

だんだんと錯綜し始めるドキドキ感。

そして 最後の最後、70ページを残すところで、

「え!マジ?!」となり、

ラスト 30ページのところで

「?!」となった後、

思わず笑ってしまいました😏

「これだけ引っ張っておいて、そうきたか」

「でも書いている人の自由だよね」

と思いました(笑)

Nymphéas Noirs でもそうでしたが、

この どんでん返し? で、

読者を振り回す感じが たまりません(笑)

各登場人物の感情も

しっかり描いているところが、

ただの推理小説とは違って好印象です😊

ラストも とても素敵でした🥹

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Le Syndrome du spaghetti

 著者 Marie Vareille

続いて紹介するのは、

女性作家 Marie Vareille の感動モノ!

Marie Vareille は ブルゴーニュ生まれ、オランダ在住のベストセラー作家です✨

本書は 2020年に出版、

翌 2021年に Prix Babelio 賞を受賞した

傑作であります😊


物語は パリ近郊の街 Tarny-sur-Seine で暮らす

バスケットボールを愛する16歳、

Léa という女の子の物語。

類まれなる才能を持ち、

幼いころからずっとバスケをやってきた Léa 。

高いレベルを目指し、街の男子クラブチームに所属し、

ひたすらトレーニングを繰り返す毎日。

そんな 彼女の夢は、

WNBA(女性のNBA)でプレイすること。

大好きな父 (兼コーチ)と共に夢に向かって

ひたすら前進し、

いつか必ず勝ち取るはずだった…

はずだったのに。

Léa を襲ったのは、最愛なる父の、突然の死。

現実を受け入れられない Léa をさらに襲うのは、

自分と妹が 父の死因と同じ病気

「マルファン症候群」であるということ。

そして、多くの場合

マルファン症候群の人には

バスケのプレイは認められていないということ。

(本書で初めて こちらの症候群の存在を知りました。

そして 米津玄師さんが こちらの症候群であるということも。)

絶望の中 出会ったのは、

低所得者層地域で暮らしている 17歳の少年 Anthony。

彼もまた、家庭の色々な問題を抱えながらも、

類まれなる才能を持つ バスケ少年だった…

家族、恋人、親友などとの交流を通して、

Léa が 力いっぱい もがきながら、

困難を乗り越えていく物語です。


文章自体は、

出版された年が最近で、

背景描写の理解に そこまで時間を取られないのと、

「昔の文学」のような文体や語彙がないので、

非常に読みやすいです👌

最初の部分は、

今どきのフランスの高校生って こんな感じなんだなぁ…、

諸々 日本よりは刺激的な部分が多いなあ😅と思いながら読み進め、

途中 描写される恋愛や友情のシーンに、

「青春」だなぁ( ̄▽ ̄)と微笑ましい気分になったり、

色々な「初めて」のシチュエーションに

「自分は こうだったなぁ。。」とか回想したりしていました(笑)

物語が進んでいくうちに、

周りの人と ぶつかって、苦しんで、

もがきながらも、

(これは 彼女の病気以外にも、

「思春期」ならではの「痛み」も含まれていると思う)

成長する Léa に感動😭って

感じのラストでした。

(マジで 久々に本で泣いた)

自分も Léa と似た部分が少しあるので、

妙に感情移入した部分もあるのかも。

特に後半部分は、

今の自分に刺さる名言がたくさん並んでおり、

非常にパワーをもらえる文章に溢れておりました✨

映画のような、よく出来たストーリーラインで、

ベタと言われれば、ベタだけれど、

たまには こういうのも良いよね😊

夢や目標に向かって頑張っている人には もちろんのこと、

夢を見ることを忘れてしまった大人にも

ぜひ読んで欲しい 1冊です。

もっと人生に本気になってみよう

そう思える物語でした✨🥹

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Laissez pousser les asperges

著者 San-Antonio(Frédéric Dard)

続きましては、

フランスの推理小説家 Frédéric Dard

痛快!推理?コメディ小説!

(↑ 良く分からないと思いますので、

以下で分かりやすく説明します笑)

Frédéric Dard は 2つのタイプの小説を執筆しており、

一つは 上記の本人名義での シリアスなサスペンス

もう一つは 本作のように San-Antonio と言う名で、

San-Antonio 警視が主人公のコミカルな警察小説を書いています。

San-Antonioシリーズは 170作品を超えており、

フランスで絶大な人気を誇ったそうです😁

シリーズの第一弾は 1949年に発行されました。


物語は パリで有名なプレタポルテのブランド

Lesbrouf で起きた連続殺人事件から始まります。

事件の共通点は 凶器の千枚通し…

その捜査の途中、

同僚の不祥事で

(↑この不祥事の内容がヤバすぎる笑 自主規制します)

仲間ともども、警視をクビになった主人公

San-Antonio 。

にっちもさっちも行かない中、

大統領 直々の秘密任務を承り、

二つ返事でアイルランドへ。

そこで 引っ掛けた女性二人と

乱交パーティーをするAntonio氏。

(↑ え、どんな展開!?って感じですよね🤣)

その最中に、なんと その女性たちが

何者かによって射殺される!😯

なんとか その場から離れることができたものの、

その後 Antonio氏の身に起こる数々の危険。

そこには彼を尾行する怪しいカップルがいて…

パリの事件、大統領の任務、執拗に続く災難…

Antonio氏 は 無事すべてに

カタを付けることができるのか?!

というハチャメチャストーリーです(笑)


物語は 上記の通り終始ぶっ飛んでいて、

アクションコメディの映画やマンガを鑑賞しているような

痛快感が 面白いです。

そして正統派の推理モノが好きな方には、

絶対にオススメできない小説です。

なぜかというと、

推理っぽい推理があまりないのと…

…とにかくエロが多い(笑)

さらに表現が結構 卑猥😂

Antonio氏 が 次々と登場する女性たちと接点を持てば、

「お、やるのか、やらんのか?!」

と、次の展開が予想できてしまう😂

Antonio氏が真剣に思考を巡らせているシーン、

殺人やアクションのハラハラシーン、

エロシーン…

うーん、やっぱりエロが多い(笑)

それでもって 残虐なシーンは

マンガ風に描きつつも

結構エグい😯

とにかく「振れ幅」が大きいです😂

そして こちらのシリーズの特徴でもある、

スラング、暗喩、ダジャレが多いのも、

ノンネイティブには なかなか大変でした😅

スラングが多用されているパートと、

普通の文章のパートでは、

明らかに 読むペースが違いました。。

特にエロのシーンでスラングが多く、

下ネタのスラングの意味を

ネットで一生懸命調べていて、

ふと、「あれ、なんで こんなの調べてるんだ?私」

と我に返りました😂

ま、エロは置いておいて、

その他のスラングは まぁまぁ勉強?になって

面白かったし、

本シリーズの味でもある辛辣な表現部分は、

個人的にフランス独特のシニカルな表現が結構好き、

というか自分自身も近い感覚を持っているので、

そこは読んでいて非常に痛快でした🎶

あとは ユーモアのある、ウィットに富んだ文章が

ところどころにあるところも👍

例を挙げると、

プルーストの小説を引き合いに出して、

「こんな展開はプルーストの小説には書かれていない、

スワン家の方を探したって意味ないぞ」

と書いてあったり、

あとは

「~のことについては、何ページ目だか忘れたけど書いたから、

ここではいちいち説明しないぞ」

と敢えて書いている所とか。

物語全体としては

「オーソドックス」とは無縁な感じで、

非常にハチャメチャで

正直好き嫌いが分かれそうですが、

ユーモアや シニカルな表現、軽快なストーリー(あとエロも笑)を

純粋に娯楽として楽しむのには良いかも?!

他の話も読みたいかと聞かれたら そうじゃないけれど(笑)、

色々なフランスの文章表現や感覚を学ぶための「勉強」として

試しに読むのは 個人的におススメです😉

GPS

著者 Lucie Rico

最後に ご紹介いたしますのは、

なんと私と同い年!の女性小説家、

Lucie Rico の小説。

南仏 ペルピニャン生まれ、

現在は パリに住み、

主に シナリオライティングと映画製作を

手掛けているそうです。

本作は 2022年に Le Prix Wepler の審査員特別賞を受賞しました✨


物語は 三面記事専門のジャーナリスト Ariane (現在 失業中)が、

学生の頃からの友人 Sandrine の結婚式へ向かうところから始まります。

方向音痴の主人公 Ariane のために、

Sandrine は 自分の位置情報を GPSにて 共有します。

おかげで Ariane は 無事に式場に辿り着くことができ、

少々 Sandrine に違和感を覚える場面はあったものの、

特に大きなトラブルもなく式は終了。

翌日、

ふと まだ 位置共有されていた

Sandrine の GPS を見てみると…

なんだか動きが おかしい。

すると Sandrine の夫 John が

Ariane の家を訪ねてきて、

「 Sandrine が 昨日から帰っていないのだ」

と打ち明けられ…

家にこもったまま、

ますます不可解な動きをする GPS を

手のひらの中で 四六時中 追いかける Ariane。

その先には

懐かしく、痛々しい青春の思い出と、

Sandrine の壮絶な過去が待ち受けていました。

GPS は 本当に Sandrine 本人なのか、

それとも…?


主人公の Ariane は 失業中で 家にこもっており

若干 病みがち、

Sandrine も 整形を繰り返しており

心に何かを抱えている感じで、

まるで 中二病のまま 大人になった二人の物語は、

静かで 少々陰鬱な雰囲気が 常に漂っています。

この なんとも言えない雰囲気が、

案外 悪くない😉

Ariane がスマホの GPS を追いかける場面と、

本人や Sandrine の思い出が回想される場面が

大部分なので、

「リアル」の世界から切り離されている感覚が すごいです。

時折ある 他の登場人物の出現で

Ariane は 一瞬「外界」と 繋がりますが、

スマホに 釘付けになる Ariane は、

どんどんエスカレートしていき、

「リアル」と「バーチャル」の境が

どんどんなくなり、

読者も 次第に その感覚になっていく。。

現代人が もれなく行き来する、

「リアル」と「バーチャル」。

その両方の素晴らしさと危うさを

物語(バーチャル)で 感覚的(リアル)に

訴えかけてくる。。

その秀逸さに 脱帽です。

バーチャルの世界での

「時間と場所からの解放」は

とてつもない幸福。

でも リアルでしか「触知」できない

愛しさがある。

うん、とにかく、

スマホを四六時中 眺める時間があったら、

これ読んでみ!

と言いたくなるような傑作でした😁

普段 特に意識もせずに使っているスマホや

アプリのUIを、

ここまで 臨場感のある文章に落とし込めるのが素晴らしい。

本職が活きている、って感じ✨

あと、物語終盤の紙面の使い方も 必見?です!


今年も 様々な本に

素敵な発見や感動を与えてもらいました😊

感覚的に気になって手に取った本に、

意外と その時の自分が欲しかった教えが書いてあったり、

はっとさせられることが書いてあったりするのですが、

みなさんは こういったことありますか?

これからも そんな「出会い」を求めて、

少しずつですが コツコツと

フランス語での読書を続けていきたいなぁ。。

と思っております😉


本年も たくさんの方に

当ブログを お読みいただき、

本当に ありがたい一年となりました✨😄

皆さん

どうぞ 楽しい年末年始をお過ごしください👋

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投稿者: 青空

パリ在住。 パン職人が本業だが、マルチ・ポテンシャライトとして 現在 奔走中。 2015年に初のフランス1人旅をしてフランスの魅力に取りつかれ、2016年ワーキングホリデービザにて1年滞在。帰国後 再渡仏の為に奮闘、2018年10月に念願の労働ビザを取得しました。