【パリ】Noir & Blanc~白黒写真の傑作展で 写真の可能性を見る~in BnF

前回 美術館へ訪問したのは、

もう かれこれ7月のこと。

【パリ】マイヨール美術館 Musée Maillol~Elliott Erwittの作品展で写真愛がさらに高まった一日~

パリに来て 6年目、

細かいところを除けば

市内の美術館は もうほぼ訪れており、

行くとなると、特別展を見に行くことがメインとなっております。

今回は メトロのポスターで興味をひかれ、

所属している写真クラブでも

ディスカッション用の専用チャットが設けられるほど、

写真好きにはアツい作品展へ行ってまいりました🎶

それが 現在 フランソワ・ミッテラン国立図書館 で開催中の…↓

« Noir et Blanc, une esthétique de la photographie » 展!

Noir=黒、Blanc =白。

白黒写真のみを集めた特別展です😊

今回は そちらの様子と、

セットで訪れた もう一つの特別展の様子も

さらっと ご紹介します🎶

フランス国立図書館所蔵のモノクロ写真を集めた傑作展

« Noir et Blanc, une esthétique de la photographie »は、

Bnf フランス国立図書館が所蔵する約 600 万点もの豊富なコレクションの中から、

およそ300作品のモノクロ写真をセレクトした写真展。

Nadar, Man Ray, Ansel Adams, Willy Ronis, Helmut Newton, Diane Arbus, Mario Giacomelli, Robert Frank, William Klein, 森山大道など、

フランス・世界の写真家の数々の作品を鑑賞することが出来ると同時に、

モノクロ写真が登場した19世紀から現在まで、

約150年の写真の歴史を辿ることも出来る作品展です📸

1970年代からカラー写真が その存在感を強める中で、

白黒写真は「グラフィックと質感にアクセントを置いた美」を表現する手段として

新たに発明されました。

今回の作品展では、

光と影が織りなす繊細な絵作りや、質感の表現を感じ取れるのは もちろんのこと、

Man Ray や Ansel Adams など、旧来の白黒写真表現を越えようと模索した写真家の軌跡、

プリントの技術、

撮影や表現方法の様々なテクニックなど、

豊富な視点で「白黒写真」を再発見できる企画となっております。

モノクロ写真は 写真のキホン!

これは たくさんの学びがありそうだ…♪

色彩がないからこそ分かる「本質」

さて、

さっそく鑑賞をスタートさせていきましょう!

日本の美術館を訪れたのが昔すぎて記憶が薄いのだが、

やっぱり 展示がお洒落なのよね。。↓↓

展示は テーマごとに分かれていて、

それぞれのテーマで

白黒写真の解釈の仕方や、

撮る側からすると作品作りの方法を深めることが出来る展示でした。


まずは 「モノクロ写真の始まり」から。

こちらは なんと小説家エミール・ゾラが撮った写真↓↓

同じモノクロでも、印画紙や使う薬剤を変えると、

写真全体のトーンが変わります。

皆さんは どれがお好み?😄

この写真家の作品は、Bourse de commerce でも見ました↓

その陰影の美しさに、感動して目に焼き付けたのを覚えています。

Gustave Le Gray

これは モデルが良すぎる。↓↓

何となく危険な香りがするのは私だけ?

幼くても「女」を持っている少女って
一定数いるのですが、どなたか分かります?

「パリの写真」と言えば、忘れてはいけない、

Eugène Atget ↓↓

約30年、パリの街を切り取り続けた写真家です。

これは ソー公園だって。

プロローグを終えて、

本格的な「テーマ」ゾーンへ。

まずは 「コントラスト」に重きを置いた写真たち↓↓

「構図力」や「被写体の形」を どう切り取るかがポイントですな🧐

こういう写真は あまり撮らないので、

今度 遊びながら練習したいなぁ…


こちらは 「白」の部分がポイントの写真たち↓↓

この写真、すぐにリュクサンブール公園って分かったわ(^^)↓↓

雪遊びをする子供たち。

こちらは なんだか日本の版画を彷彿とさせました。↓↓

自分には まだない発想。

お次は 「黒」!↓↓


続いては 暗闇や夜に撮影した写真↓↓

今のカメラは 高性能ですが、

昔の暗闇での撮影は、

絞りを開放にしたり、

シャッタースピードをかなり遅くしたりと、

なかなか苦労が多いものでした。

こちらは

私が大好きなアンリ・カルティエ・ブレッソン💕↓↓

咄嗟にシャッターを切ったのでしょうね、

ピントが被写体に完全には 合っていません。

私もフィルムカメラで急いで撮ると、

たまにピントが甘くなります。

でも すごく魅力的。
この写真を撮りたかった気持ちが分かります。

続いては 「光と影」↓↓

「影遊び」が出来るのも、白黒写真の醍醐味✨

日本代表、森山大道✨↓↓

彼の他にも、何人か日本の写真家の作品がありました😊


まだまだ 続きます、

こちらは 「黒の魔法」↓↓

こちらは ソラリゼーションなど、

新たな写真技法を探求した作家たちの作品が並んでおりました。


こちらは「質感のニュアンス」↓↓

個人的に好きだったのは、

でこぼこの滑り台と…↓

絵のような海🌊↓↓

その他、

カラー写真で白黒の物を撮った写真の展示などもありました。


今や 簡単にカラー写真が撮れて、

かつ、色も簡単に盛れてしまう現代ですが、

「Photo = 光」(ラテン語)、

写真は光を撮っているので、

その本質を理解するためには、

モノクロ写真の勉強は必要不可欠だなぁ…

と改めて思いました。

個人的に 光あふれるカラー写真が好きですが、

白黒も極めてみたいなぁ、

と思わせてくれる作品展でした✨

写真の「今」が分かる、«Épreuves de la Matière »

小一時間モノクロ写真を堪能した後は、

次の作品展 «Épreuves de la Matière » へ。

作品展の概要を短く まとめると、

写真 × 〇〇(広義の意味での「素材」)

現代の写真表現が楽しめる展示かな?

約200人の写真家の作品が並び、

「写真素材の変容の可能性」だけでなく、

「その消滅の可能性」も提示しています。

ただ単に 「額に収めた一枚の写真」という普通の作品ではなく、

写真 × ペイント、コラージュ、刺繍や

写真 × デジタル、

写真 × 立体造形(彫刻やトロンプルイユ)、

写真 × プリント素材(和紙、プラスチック、メタル)、

さらには 普通の写真に見えて、

印画紙や薬剤などを工夫する化学実験的な表現などもあり、

脳が パカーッと開くような作品ばかり♪

旧来の「写真」の枠から大きく飛び出した、

自由自在な芸術表現に「お見事!」の一言。

シンギュラリティが囁かれる昨今ですが、

やっぱり人間の発想力って なかなかすごい

って思わせてくれる展示たちでした✨

もっと自由に「写真表現」ってやっても良いんだなと、

色々なインスピレーションをくれた作品たちに感謝🥹


最後に

図書館内で 一般に展示された写真作品(今年の色々な賞の受賞作品)と…↓↓

シルクスクリーン印刷の大家、Éric Seydoux の展示を見て…↓↓

充実の鑑賞を終えたのでした。。


« Noir et Blanc »も、

«Épreuves de la Matière » も、

どちらも かなーり勉強になった展覧会でした✨

まだまだ勉強することは たくさんあるし、

試してみたいことが いっぱいある…!

写真を鑑賞する側の方も、

きっと満足できること間違いなし!の展示なので、

お時間ある方は ぜひ!

2つの展示を見る場合、

billet couplé でチケット代が割安になりますよ~♪


フランソワ・ミッテラン国立 BnF

Adresse : Quai François Mauriac 75706 Paris Cedex 13 ギャラリー2

最寄駅 : メトロ14号線、RER C線 Bibliothèque François Mitterrand 駅、メトロ6号線 Quai de la Gare 駅

展示開催時間 : 火曜~土曜 10:00-19:00、日曜 13:00-19:00

※« Noir et Blanc, une esthétique de la photographie »は 1/21まで、

 «Épreuves de la Matière » は  2/4まで

定休日 : 月曜・祝日

料金 : 10€、 billet couplé は 13€

HP : https://www.bnf.fr/fr/agenda/noir-blanc-une-esthetique-de-la-photographie

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投稿者: 青空

パリ在住。 パン職人が本業だが、マルチ・ポテンシャライトとして 現在 奔走中。 2015年に初のフランス1人旅をしてフランスの魅力に取りつかれ、2016年ワーキングホリデービザにて1年滞在。帰国後 再渡仏の為に奮闘、2018年10月に念願の労働ビザを取得しました。