前回の記事で、私が 今住んでいるアパートを見つけるまでの流れを書きましたが、今回は契約から入居までを書いていきたいと思います。
私は「ユーロエステート」さんで物件を見つけました。こちらでのサービスは、物件を日本人に優先的に紹介するサービスで、内覧して物件が気に入れば、そこからの手続きは自分と大家さんの間でのやり取りになります。勿論フランス語必須です。
私の場合は、ちょっとややこしくて、大家さんの間に さらに1人物件手続き担当のフランス人の方がいて、主にその人とやり取りをしました。
次のような流れで手続きしました。
①賃貸契約の希望を伝える
まぁ、当たり前ですが、一応書いておきます。私は内覧の最後に借りたい旨を伝えて、向こうが「一度考えて、また電話かメールで最終決定をお知らせ下さい」と言って来たので、すぐにメールで借りたいと伝えました。一応 行き違いがあると怖いので、ユーロエステートさんにもメールしておきました。
数日後、賃貸契約の日程を決め、契約に必要な提出書類のリストがメールで送られてきました。
私が揃えた書類は、
- 身分証明書(パスポート)
- 住居証明(当時ホームステイでしたので、ステイ先のマダムに一筆もらいました)
- 収入証明(雇用契約書)
- 現金300€
現金300€は、部屋を予約するための頭金でした。これは最初の家賃から差し引かれます。これに関しては、大家さんや不動産屋によってそれぞれで、頭金が必要ないところもあると思います。
②賃貸契約をかわす
書類を揃えたら、いよいよ契約です。
約束の時間に待ち合わせ場所のカフェへ。
まずは 仲介の手続き担当の方が管理するために、個人情報シートに色々と記入しました。国籍、生年月日、勤務先、収入、日本での連絡先などなど。これは 人によるかと思います。
その次に賃貸契約の約款の内容を確認します。全部読むと時間がかかるので、担当の方が ざっくり説明してくれました。
一応、アドバイスなのですが、契約書はあとで絶対に隅から隅まで読むことをオススメします。国が違えばシステムも違いますし、中には悪徳不動産屋・大家もいるそうなので…まぁ、内容的には常識の範囲内のことが書かれていますが、更新や解約、契約解除などの項目はしっかりチェックしておくべきだと思います。未然にトラブルが防げるかもしれませんし、トラブルが起きても対処しやすいはずです。それにフランス語の勉強にもなります♪
約款の内容の確認が終わると契約書へサインします。その他、頭金の支払いと領収書へのサイン、管理費についての書類に同意のサインをして終了しました。
最後に家賃の振込先を教えてもらい、入居日までに 家賃(管理費込)+保証金(頭金を差し引く)を振り込むことと、火災保険に入ることを約束して(入居日までに保険加入の証明書をメールで送付)、担当者と別れました。
「保証金」は日本で言う「敷金」みたいなもので、退去時の物件の修繕費に充てられます。フランスでは、ひどい損傷がなければ、保証金はほぼ満額で還ってくるそうです。ちなみに保証金は家賃1ヶ月分でした。
火災保険は 「MAIF」と「matmut」を勧められて、そちらの方が保険料が若干安かったのですが、手続きが面倒で時間がなかったので、私は自分の口座がある銀行の火災保険に、ネットで加入しました。月々14€だったかと思います。
③入居日当日。Était des lieuxをする
いよいよ 待ちに待った入居日。待ち合わせの時間に、物件の前で大家さんと手続き担当の人の到着を待ちます。ほどなくして2人が来て、物件引き渡しの作業に移ります。
まずは 大家さんから、物件の設備の説明や使い方を聞いて、設備のマニュアルやらネットに関しての書類(私の物件は既にネットが通ってる物件でした)を頂き、最後に連絡先を教えてもらい、大家さんとはここでお別れ。
次に手続き担当の人と、Était des lieux を行っていきます。これは、入居前の設備・備品の現状確認のことです。日本も入居の時にやりますが、簡単な動作確認だったり、目視で不動産屋さんと一緒に部屋を確認するくらいだと思います。
が、ここはフランス。リストを片手に部屋の隅から隅まで確認をし、問題がなければリストにチェックを入れていきます。フランスの賃貸物件は、家具やその他の備品(食器や寝具など )が既に備え付けられている物件(meubléと言います)も多いので、そういった物件は 備品の全てがチェックの対象です。例えば「スプーンが6本、鍋が2つ、枕が1つ…」とか、本当に全てです!なので、全部きっちりやると、1時間~1時間半かかると担当の方が言ってました。
私の場合、設備・家具などが清潔か、傷などがないかは、あらかじめ 大家さんが家の中を写真におさめたものがメールで大量に送られてきて、それである程度確認するように言われました。
当日は備品の数のチェックをかなり駆け足で行いました。当初 しっかりÉtait des lieux するはずだったのですが、その前の大家さんの話が長すぎて(1時間近く)、担当者さんの予定が狂ったらしいです(しかも私事都合 )このあたりがかなりフランスらしいですね(笑)入居がこんな感じで大雑把だと、退去の時が若干心配ですが。。トラブルにならないとこを祈ります…
最後に貸主が借主に提出する義務のある、物件に関して「安全で問題のない物件ですよ」という証明書類(電気、ガス、汚染、白アリなどの診断書)を貰い、鍵を受け取り、無事終了です!
やっと、心から落ち着ける場所が手に入った時の安堵といったら…!まるで長い旅が終わったような。(まだまだ私は「フランス生活」という「旅」の序盤ですが)
こうやって、一つひとつ 色々な手続きだったりをクリアして生活の基盤を作っていくのって、本当に新社会人と同じだなと思います。国が変われば、何もかもが初めて。もう一度「新社会人」みたいなことをやるのって、やっぱりパワーが要りますし、「あーめんどー」ってなったりもします。けど、この経験って海外に住まなきゃ出来ないわけですし、外国の社会に組み込まれていくのって、自分がパワーアップしているような、新しいものに変化しているような気もして、結構悪くない(笑)
最後に在仏日本大使館のページを載せておきます。フランスでの不動産契約のポイントが書いてあって、私も参考にしました。