比較的 良心的な人が多く、契約・交渉が滞りなく進む日本と違い、
小さなことから大きなことまで、なかなかトラブルが多い おフランス。
(今までも、全部が全部スムーズ、という訳ではありませんでした…)
フランスでは 賃貸物件を契約する際に、
不動産屋さんを通さない、つまり大家さんと直接やり取り出来る物件も多く、仲介手数料がかからない代わりに、
個人間で 様々な契約トラブルがあるのも事実。
フランス人ですら経験者が多く、
同僚とかには 「まぁ これがフランスなんだけど…詐欺とかは マジで気をつけな」と
よく言い聞かされております🤣
で、前回の物件は 非常に良心的な家賃で 満足のいく生活ができ、大家さんの対応も良く、なんの心配もなく契約を終了出来ると思っていたのですが…
約束の期限になっても 敷金(dépôt de garantie)が返却されない……😏
ギリギリまで 丁寧な大家さんだったので、どうしても解せなかったのと、
お給料で すぐにリカバリーできる金額(家賃 1ヶ月分)だったので、このまま諦めても良かったのですが、
「いや、どう考えても返してもらう権利があるし、
相手が日本人だからってナメられていたんだったら癪だわ!」と、思い直し、
返却してもらうようにアクションを起こしました。
と言っても、ファーストステップの「手紙を送る」ということだけで
なんとか返却してもらったので めでたし、めでたし、だったのですが(笑)
今回は フランスの個人間契約で まぁまぁある?敷金の持ち逃げに関する対処法について、参考になる記事が書ければ、と思います(^^)
私の場合。状況整理。
まずは 私のトラブルの状況について、もう少し説明を。
退去日に état des lieux de sortie を済ませ、何も問題がなく(bon état)、
état des lieux の証明書(大家さんの直筆)を貰う。
→ これを証明書として 火災保険を解約
↓
その後 大家さんより、解約日(月末)の翌月末までに 敷金を返します、と連絡が入る。
↓
期日を過ぎても支払われない
↓
メールにて まだ支払われていない、どうなっているのだ、と回答を求める(腰低めに)
↓
その後 連絡なし
通常なら 当日か翌日中にメールの返信をする人だったので、
「戦いたくないけれど、やるしかない」という感じで次の行動へ出ました。
ここで解決すれば簡単?貸主に手紙を送る
フランス語で「敷金、戻らない」とかで検索をかけると、
その場合にすべき対処法や、返却を請求できる人の条件など
様々なサイトが検索結果に出てきます。
基本的に踏むべきステップは同じで、
まずは 「敷金返却の請求」という内容の手紙を
書留 lettre recommandé avec accusé de réception で相手方に送ることです。
手紙の文面 や 細かい法的な規則は以下のHPを参考にしました
↓↓
◎フランス政府のページ → https://www.service-public.fr/simulateur/calcul/RemboursementDepotGarantie
◎aide-sociale.fr → https://www.aide-sociale.fr/remboursement-caution/
原則 敷金は 解約日から1-2ヶ月以内に精算→返却しなければならなく、
それを経過したら、1ヶ月ごとに家賃の10%を加算して返却請求を促すことが出来ます。
つまり 家賃が 700€の場合、1ヶ月経過 = 770€、2ヶ月経過 = 840€と請求できるそうです。
請求できる条件は état des lieux をきちんと済ませていること、その後清算して返却額が決まっていること、家賃の未払いに充てられていないこと、などがありますので、
自分が 請求条件を満たしているか、上記のHPで 自己責任で調べてみて下さい。
ちなみに 私が送付した手紙は こんな感じです♪ご参考に↓↓
文 面 (例)
差出人(自分)の氏名
住所
受取人(大家)の氏名
住所
Objet : DEMANDE DE REMBOURSEMENT DE DÉPÔT DE GARANTIE NON RESTITUÉ – ÉTAT DES LIEUX DE SORTIE CONFORME À L’ÉTAT DES LIEUX D’ENTRÉE
Madame,
À ce jour, vous ne m’avez pas restitué mon dépôt de garantie d’un montant de 家賃 € pour le logement situé au 物件住所 Paris.
Je vous rappelle que suite à mon départ le 賃貸開始日, un état des lieux contradictoire a été établi le état des lieux した日付. Les clés vous ont été remises le 鍵を返却した日付. Aucune dégradation n’a été commise, l’état des lieux de sortie est conforme à l’état des lieux d’entrée.
Selon l’article 22 de la loi n° 89-462 du 6 juillet 1989, la restitution du dépôt de garantie doit intervenir dans un délai de 1 mois à compter de la remise des clés, sans quoi, il sera majoré d’une somme de 10 % du loyer mensuel hors charges, pour chaque mois de retard.
Je vous mets donc en demeure de me restituer la somme de 家賃 € pour le dépôt de garantie, majoré de 家賃の10% €, dans un délai de 8 jours à compter de la réception de la présente.
À défaut, je me verrais contrainte de saisir la juridiction compétente.
Je vous prie d’agréer, Madame, l’expression de mes salutations distinguées.
Paris, le 手紙を書いた日付
サイン
ポイントは、最後の À défaut, je me verrais contrainte de saisir la juridiction compétente. (応じない場合は法的措置も辞さない所存です) ですかね。脅し文句(笑)
無事に一件落着…
このファーストステップで解決しないと、ここから先のステップは 本当に法的措置を取ることになりかねなく、だんだんと面倒くさくなるので、
「どうか このステップで戻ってきてくれ~…!」と願っていたら、
ほぼ期日内に敷金が返却されました✌
そして 先に説明した通り、遅れて返却されたので、10%の利子?付き。ラッキー(笑)
物分かりが良い人だったので、話がこじれることがなく、本当に運が良かったのですが、(まさか日本人が ここまでするとは、と思っていなかったのでしょうか?)
もしも ここでカタが付かなかった場合、La commission départementale de conciliation (CDC) (上記HPに掲載あり)に相談して(無料で出来るそうです!)、
法的手続きを進めるそうです。
ファーストステップだけでも、調べたり、手紙書いたり、正直面倒くさかったのですが、
勉強になったし、お小遣い稼げたし、ブログの良いネタになりました🤣
海外だと泣き寝入りする日本人が多いと思いますが、
やはり主体的に動くのみ!
と、やはり こんなトラブルがない世の中になって欲しいな…
と つくづく思うのでした。。
◎完全に契約が終わるまで、「証拠書類」は必ず取っておきましょう(笑)↓↓
フランスで 初めての お引っ越し。~退去についての基本の4ステップ~