フランスでのパン職人の仕事

私は プロフィールにもあるように、パリ在住のブランジェです。

今日は フランスでのブランジェの仕事についてお話したいと思います。

日本の同業者の方には 日本との仕事内容や働き方の違いを知って貰えたら と思いますし、同業でない方も「フランスのパン屋はこんな感じなんだー」と思って貰えればかと✨(専門用語もありますが、ご容赦下さい。。)

部門とポジション

フランスのパン屋は「パン屋」だけではなく、基本的には boulangerie-pâtisserie パン屋+パティスリー の業態の店がほとんどです。

よって、部門としては、パンとパティスリーに分かれます。働く人は、大体ブランジェはブランジェ、パティシエはパティシエで、分かれて仕事しますが、両方の資格(資格は国家資格)を持つ人は、その時々によって、ブランジェで仕事したり、パティスリーに入ったりします。日本人の場合は、基本的には、ブランジェの人はブランジェ、パティシエの人はパティシエで分かれてますが、その職場での勤務期間が長く、一通り仕事が出来る人は、部門外も手伝ったりします。

ブランジェのポジションですが、店の製造量によって変わってきます。大体の店は、早番と遅番の2交代制で、店によっては、仕込み・成形・窯 全部1人でやりますし、製造量が 多い店舗などは、分かれていたりします。

ちなみに 私の職場は、「仕込み」「成形・窯」「折り込み(クロワッサン類成形)」の3ポジションで、各ポジション1人ずつです。「折り込み」は、フランスではtourageと言って、折り込みする人のことを tourier と言います。クロワッサンなどのviennoiseries ヴィエノワズリーは、フランスでは基本的には パティスリーの仕事ですが、日本ではパン職人も この仕事をするので、フランスの職場で 日本人のブランジェがいると、この仕事もやります。

パンの製造量とパンの種類

私の職場は、そこそこ規模の大きい店舗らしく、バゲットのみで、1日700~800本は製造しています。(お昼くらいまでに400は焼いてます)その他に食事パン(カンパーニュ、セーグル、コンプレなど)が7~8種、サレ(惣菜パン)が3種類くらい、クロワッサン系は300個くらい、それに、パンオレ、ビエノワ、ブリオッシュが 10個ずつと プラスアルファくらいの量です。

ワーホリ時代の店舗は、これより全然少なかったので 最初はちょっと大変でしたが、慣れると そうでもないです。(成形・窯のポジションは、ヘトヘトになりますが(笑))

うちの店よりも もっと製造量が多い店もあるそうなので、そういうところで働いてる方は本当に凄いなーとつくづく思います。。

実際の仕事内容・勤務時間など

私の職場では、基本的にポジションは固定で変わることはありません。私は 「折り込み」が基本ポジションで、「仕込み」と「成形・窯」を担当している人が休みの時は、代わって そのポジションに入るので、3つのポジションを担当しています。仕込みと成形・窯は週に1日ずつの担当ですが、3つ掛け持ちは 私だけです。勤務時間が変わるので、ちょっと疲れますが、仕事内容に変化があるので、ずっと同じポジションよりは飽きないかなと思います。

「折り込み」の仕事

折り込みは 遅番で13:00~20:00まで。

仕事内容は…ひたすらクロワッサンを作ります(笑)日に3キロの生地玉を17個分と、その日によって、キッシュなどのフォンサージュをやったりしてます。クロワッサン、パンオショコラ、クイニーアマン、パンオレザンなど、色々な種類をやる日は良いのですが、クロワッサンだけの日は 自分のモチベーションキープが重要です(笑) 結構孤独な戦いですが、午後のゆったりした空気の中で、落ち着いて仕事に没頭出来るので、結構好きです。

そして遅番の良いところは、なんといっても 朝ゆっくり寝てられること!私はこの遅番の日に体力をチャージしています。あと、残業ですが、遅番は基本的にあまり残業をしません。というか、しないように、私は終わらせるようにしています。(フランス人の同僚は終わらなかったら そのまま帰ってますが) 閉店と同時に 販売員も 作り手も仕事を終えて、店の鍵を閉めたいみたいです。あと、1人で残っていると作業中の事故も心配なので、出来るだけ みんな同時に帰る感じになっています。

「成形・窯」の仕事

3:30~12:30、13:00くらいまで。

私的には、ここのポジションが一番ハード。定休日明けの日が私の担当で、色々な準備をしないといけないので、誰よりも早く出勤します。

まずは、キッシュやパティスリーのタルトなどをコンベンションオーブンで焼いて、平窯の温度が上がるまで、ひたすらパンの成形をします。店のオーブンによっては、自動で電源が入って設定温度まで達しますが、うちの店のオーブンは旧式なので、手動です(泣)

バゲットの成形は、バゲットモルダーという機械でやります。日本だと バゲットの出る量がそんなに多くないので 手成形ですが、フランスでは ほとんどのパン屋が機械です。

その他のパンの成形は もちろん手成形です。日本のパンは、菓子パン、惣菜パンなど、細かい感じの、手先を使う成形ですが、フランスのパンは「食事パン」がメインなので、手のひら、体全体を使った成形が多いので、日本よりパワフルです。

窯入れや窯出しも 日本での仕事より力を使うので、ちょっとハードかなと思います。

オープンまでが一番バタバタで、すべての商品が上がるように、成形と焼成をひたすらやります。サンドイッチ用のバゲットも焼いたり。

オープンすると多少落ち着いて、あとはお客さんの入りを見ながら、バゲットの成形と焼きを繰り返していきます。

お昼に向けて、たくさんバゲットを用意しながら、明日の食事パンの成形を4種類くらいして、遅番の同僚にバトンタッチして終了。って感じです。

とにかく、一番やることが多くて、時間帯によっては、3つのことを同時に進めたりするので、なかなか気が休まる時間がないですが、「やりきった感」はあるポジションですかね。

「仕込み」の仕事

4:30~13:00まで

このポジションは 私的にはそこまで大変ではないです。

朝 一番でクロワッサン類をコンベンションオーブンで一気に焼きながら、仕込みをします。仕込みのミキサーは、縦型ミキサーと小さいスパイラルミキサーをメインに、バゲットはバゲット専用のミキサーを使います。

バゲットは、早番担当は朝と昼頃の2回の仕込みで、大体 朝に粉75キロ、昼に50キロ分くらいの仕込みです。

その他の生地は10種類くらいで、朝の7時くらいまでに仕込みが終わります。

その後は、翌日分の材料の計量や、明日焼くクロワッサンをホイロに入れたりします。

ビエノワやブリオッシュの成形など、小さいパンの翌日分の成形も このポジションがやってます。

あとは、その時々でブリゼ生地やビスキュイ生地など、パティスリーで使う生地も仕込んだりしています。

ここのポジションで大変なのは、出来上がったバゲット生地をばんじゅう(ケース)に入れる作業でしょうか。。約8キロの生地を20ケース分くらい計って、保管する冷蔵庫に入れるのは、慣れるまでは重労働かもしれません。日本よりも 明らかに「量」が多いので、仕込みのポジションも よりハードかと思います。

休憩と休み

休みに関しては きちんと週に2日お休みが貰えます。日本のパン業界は またまだ週休2日のお店ばかりではないので、そこは良い点だと思います。あとは、ご存知の通り「バカンス」ですね。どの業種も必ず5週間の有給休暇があります。これが最大の魅力(笑)

休憩は、日本のように「決まって1時間」とかはないです。もちろん、フランスの飲食業界だけのことで、他の業種はちゃんとありますよ!

自分で作業を進めて、落ち着いたら 一服したり、何か食べたり、各々で勝手にやる感じです。パティスリーは、休憩がとりやすいですが、ブーランジェリーの「成形・窯」は 基本初めから終わりまで ノンストップのことが多いです。(もちろんトイレやちょっと何か食べるくらいの余裕はあります)

日本とフランス、どちらが働きやすい?

私 個人としては、フランスの方が 働きやすいと思います。フランスのパン屋は、とにかく製造量が多くて、体力も要りますが、日本より短時間で 一気に仕事を終わらせるスタイルなので、プライベートの時間が多いからです。

日本は、体力的には楽かもしれないですが、勤務時間が10時間、12時間の店も 割合的に多いので、一度フランスで働くと 効率悪く感じてしまうのです…

あとは、日本だと 伝票の管理とか棚卸しとか、事務作業とかも作り手がやらないといけない煩わしさもあるんですよね。。

もちろん、日本のパン屋も良さがあります。とにかくパンの種類が多くて、季節によって商品が入れ替わるので、作業自体に飽きることが少ないですし、実は 小さいパンの細かい成形の方が好きだったりもします(笑)

フランスでも「大変な仕事だよね」と言われる、パン屋の仕事、もちろん フランスの他の職業よりは大変です。しかし、日本のパン業界を知っていると、働き方としては、私はフランスの方が良いかなーと感じてます。

以上が フランスでのパン職人の仕事でした♪

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投稿者: 青空

パリ在住のブランジェ。 2015年に初のフランス1人旅をしてフランスの魅力に取りつかれ、2016年ワーキングホリデービザにて1年滞在。帰国後 再渡仏の為に奮闘、2018年10月に念願の労働ビザを取得し、現在に至ります。

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